WHAT IS PUBLIC AI KNOWLEDGE BASE
公共AIナレッジベースとは
単にファイルを格納するストレージではありません。AIが「正しい作業」を行い、必要な情報を「確実に検索・提供」できるようにするための、人間とAIの共有財産(データエコシステム)です。
01 — CONCEPT
設計の核心は「人間とAIの合意事項(Agreement)」
人間が暗黙的に理解している「文書の趣旨」や「公開制限」といったナレッジのプロファイルを、カテゴリ分けおよびメタデータとして、AIが理解できるように可視化します。これにより、人間とAIの間でナレッジの扱いに関する明確な合意事項を形成し、RAG(検索拡張生成:AIが外部の知識を検索して回答する仕組み)を通じた生成AIによる正確な案内、AIエージェントによる正しい処理を実現します。
既存の文書を書き換えずに導入できます ― ナレッジ(ドキュメント)の内容そのものを標準化するのではなく、その「扱い方」に関する情報をメタデータとして見える化します。だからこそ、既存の文書を書き換えることなく導入できます。
MEANS 1
カテゴリ分類(構造化)
ナレッジを「4階層+細目」に分類し、いま参照している情報が統計データなのか、守るべきルールなのかをAIに明確に伝えます。
MEANS 2
メタデータの付与
識別子、対象者、有効期間、公開範囲など、本体に書かれていない暗黙知を付随情報として追加します。
MEANS 3
検索の効率化と提供
AIのリクエストや権限に応じて必要なナレッジを迅速に検索・提供し、AIの処理速度を高め負担を軽減します。
02 — IN PRACTICE
公共AIナレッジベースの活用イメージ
行政職員が整備したナレッジを、行政の中では案内システムとAIエージェントが、行政の外では企業や住民のAIが参照します。ナレッジベースを中心に「誰が登録し、誰が使うのか」を示したものです。
- 行政職員がナレッジベースを整備する
「正しい・最新の・正統な」ナレッジを登録したナレッジベース(データフォルダ)を作成します。例:法律・省令/条例・規則/ガイドライン・通知/作業手順書/マニュアル/申請様式/サービス案内 など。
- AIによる案内システムが最新の情報を案内する
ナレッジベースから最新情報をRAGに取り込み、住民・事業者からのお問い合わせに、最新で正確な情報を案内します。
- AIエージェントが正確に業務を処理する
最新の業務手順・計算ルールをナレッジベースから参照し、申請処理やチェックなどの定型業務を正確に行います。
- 企業や住民のAIが行政のナレッジを直接参照する
企業内の生成AI・AIエージェントや、住民のパーソナルAIが、行政のナレッジベースを直接参照して活用することも考えられます。
MCP(Model Context Protocol)… AIが、外部のツールやデータ、システムに接続するための標準仕様。
A2A(Agent2Agent Protocol)… AIエージェント同士が直接コミュニケーションを取って協力し、タスクを遂行するための標準仕様。
03 — OVERVIEW
全体活用イメージ
国・県・自治体が「正しい・最新・正統な」ナレッジを登録・更新し、MCP(AIと外部データをつなぐ接続方式)やRAGを通じて生成AIシステム、バックオフィスAIエージェント、ワークフローシステム、企業のAIへ提供します。
04 — TAXONOMY
ナレッジの4階層
AIが「いま見ているのは統計データなのか、それとも守るべきルールなのか」を峻別できるようにし、誤った推論を防ぎます。
05 — IDENTIFICATION
ID・版管理の考え方
「どのナレッジの、いつの版を、どのメタデータで参照したか」をAIが説明できるようにするため、5つのIDを階層的に定義しています。
5つのIDの名称
| 略号 | 名称 | 定義 |
|---|---|---|
| KID | ナレッジID | ナレッジ本体を一意に識別する不変のID。初回登録時に発行し、以後は変更しません。 |
| KVer | ナレッジバージョンID | ナレッジ本体の版を表すID。改正・改訂などにより本体の内容が変わったときに繰り上げます。 |
| MVer | メタバージョンID | メタデータの版を表すID。公開範囲や担当課の変更など、本体は変えず属性だけが変わったときに繰り上げます。 |
| CID | コンテンツID | KID + "-" + KVer。ナレッジ本体の「どの版か」を指し示すID。 |
| RID | レコードID | CID + "-" + MVer。「どの版を、どのメタデータで参照したか」までを一意に指し示すID。 |
コード体系
ナレッジに付与するコードは、出所と管理主体で3種類に分けています。
| 区分 | 名称 | 定義 |
|---|---|---|
| CC | コンソーシアムコード | 本研究会が定義・管理するコード。共通仕様の一部として公開します。 |
| PC | 公共標準コード | 国・国際機関等が定める既存の標準コード(ISO言語コード、国コード、全国地方公共団体コード等)を参照します。 |
| IC | 内部コード | 各組織が内部管理のために独自に定義するコード。 |
コンソーシアムコードは、公共AIナレッジベース仕様書を参照ください。
カテゴリコード(L1〜L4)は現時点で案です。研究会での確認を経て確定します。
06 — GOVERNANCE
3者の役割とライフサイクル
ナレッジのライフサイクル(5段階)
- 新規登録
ナレッジを登録し、KIDを採番します。カテゴリとメタデータを付与します。
- 内容更新
ナレッジ本体が変わったとき。KVerを繰り上げ、新しいCIDを発行します。
- メタデータ更新
属性のみが変わったとき。MVerを繰り上げ、新しいRIDを発行します。
- 廃止
有効期間の終了や制度改正により参照させないようにします。履歴は残します。
- 定期メンテナンス
有効期間・リンク・所管の棚卸しを定期的に行い、鮮度を保ちます。
SPECIFICATION
仕様書 Ver.1.0 のご案内
本編と別紙3点(カテゴリの分類一覧・メタデータ項目一覧・コード仕様書)で構成されます。本サイトへの掲載は、研究会内での確認を経て公開予定です。
